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狂気への扉


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・・・・・・また失敗した。それも二度もだ。
こんな事で俺は祐介の敵を・・・・・・少年を殺すことができるのだろうか?
・・・できるはずがない。結界の力が薄まってきている今現在で
この島でもっとも力を持つであろうあの少年を殺すことなど不可能だ。
おそらく、柏木耕一ら鬼の力を持ってしても物理的攻撃で少年を殺るには
不足だろう。
・・・・・・ならば、どうする?

考えながら鬱蒼とした茂みを掻き分け歩く。
さっきから思考が堂々巡りになってしまっている。
どうする?何度同じ事を自分に問いかけただろうか?
答えはいつも決まっている。・・・・・・どうにもならない。
そして、この後の行動も決まっている。その思考を振り払うかのように
首を振る。・・・・・・こんなときこそコーヒーが欲しいものだな。

どうにもならない、ではない。どうにかするのだ。どうにかするしかない。
力が・・・・・・力が欲しい。少年を押さえつけるほどの。
生き残っている柏木家の連中を襲って血を頂くか?今までの考え通り、
それで少年に太刀打ちできるとはさらさら思っていないが、何も力を持
たない現状を考えると何もしないよりましだろう。

だが、奴らは今集団で行動している。
力を押さえつけられているとはいえ、奴らは鬼としての力を持っているため
返り討ちに会う危険性が非常に高い。
仇を取るまではしぬわけにはいかない。
祐介・・・・・・俺はお前に何もしてやれないのか?

・・・・・・・・・祐介?
長瀬祐介、俺の大事な家族、長瀬の血族。
高校生、優しい笑顔で微笑むあの子、そして電波使い。
電波・・・・・・そう!電波だ。資料には月島瑠璃子という少女と交わる
ことによって備わる心の狂気を力の源とする特殊能力と書いてあった。
俺も、あの月島瑠璃子という子と交わることが出来さえすれば・・・・・・。

力を得ることが出来るはずだ。例え制限が掛かっていたとしても何もない
現状よりは遥かにましだ。可能性はあるはずだ・・・いや!あると信じたい。
うまく電波の力を手に入れることができたとすれば、その力で柏木家の誰かを
狩る。鬼の血と電波の力、この二つがあれば少年にも対抗できるはずだ。


何かに気づいたように苦笑しながらつぶやく。
「俺は何を考えているんだ?・・・月島瑠璃子、あの少女はしんでしまって居るではないか」


「・・・・・・だから、なんだと言うんだ?やってみなくては分からないじゃないか」
そうつぶやき、月島瑠璃子の死亡ポイントへと歩を進めたフランク長瀬
の顔に浮かんでいるのはかつて月島瑠璃子、そして彼女の兄月島拓也
最後の時を迎える前の長瀬祐介が各々浮かべていた狂気の扉を開いて
しまった者が浮かべていたそれだった。

どこか焦点の合わない目で遠くの方を見つめながら、口元に笑みを浮かべ呟やき月島瑠璃子の死亡ポイントに向かう足を早めた。

「まだ・・・・・・腐ってないだろうしな」

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