雷
雷が近くに落ち、弾かれたように観鈴は走り出す。
もうここには戻ってくるな
その言葉が気掛かりだった。
戻ってきてはいけない。
戻ってはいけない。
それはきっと、悪いことが起きるから。
だからじっとしているなんて、観鈴に出来るわけがなかったのだ。
鳥居を潜る。暗くて、何も見えない。
暗くて、何も見えない。
また、雷。
周囲が照らされる。
観鈴が見たものは、散弾銃で頭部をずたずたにされている少年の姿。
そして、胸から血を流している往人の姿。
雨が、強くなった。
【国崎往人 少年 死亡】
【残り14人】