BGM Change 鳥の詩(a Last Episode)
Please change BGM. Airより「鳥の詩」
...伴奏
――潜水艦、内部――
梓「せ…狭い」
耕一「なんか息苦しくないか…?」
マナ「まず…くない?」
晴香「ちょっと七瀬! 上げて!」
潜水艦が急浮上する。
――ギ…ギギィ…――
急いでハッチを開けた。
耕一「だから無理だったんだって! こんなたくさ…」
――潜水艦、海上――
耕一が見つめた空に飛行機雲が見える。
どこからか来て、あの島へ向かったかのような軌跡。
[消える飛行機雲 僕たちは見送った]
マナ「もう…。日が昇ってたのね」
ひょっこりと顔を出すマナ。
光を放つ太陽。
青い空。
[眩しくて逃げた いつだって弱くて
あの日から]
あの島の悪夢。
変わらないはずだった日常。
[変わらず いつまでも変わらずに]
彼等はいつか、消えてしまった人達のことを忘れてしまうのでしょうか。
[いられなかったこと
悔しくて指を離す]
――潜水艦、正面――
――ニャーニャー…――
耕一「鳥?」
潜水艦のまわりに沢山の鳥が集まってくる。
鳥達は彼等の船に併走する。
白い中に1羽だけ黒。
[あの鳥はまだうまく飛べないけど]
マナ「鳥がいるってことは…」
繭「陸が近いってことじゃない?」
黒い鳥は、道を示したかのように先へと進む。
不恰好な飛び方のまま、弾けて消えた。
ぴろ(!! そ…ら!?)
[いつかは風を切って知る]
七瀬「陸見えたの!?」
操縦席から響く七瀬の声。
晴香「まだ……。まだだけど……!」
[届かない場所がまだ遠くにある]
あゆ(うぐぅ…。狭いし暗いし苦しいし…。早くついてよぉ…)
[願いだけ秘めて見つめてる]
――通学路――
七瀬「折原…。瑞佳…」
通学を行く。
以前通りの道だが、寂しい。
[子供たちは夏の線路 歩く]
繭「みゅーー! 早く早く!」
底抜けに明るい繭の声。
七瀬「はいはい…」
騒ぐ繭に七瀬が走り寄った。
七瀬(うん…)
繭「みゅ?」
[吹く風に素足をさらして]
――柏木家――
耕一「昔…。皆でハイキングいったな…」
平和の時。その中で彼はたびたびい昔を思い出す。
二度と帰ってこない、幸せな日々。
[遠くには幼かった日々を]
梓「耕一〜。ちょっといいかな〜」
梓が彼の側に駆け寄ってきた。
[両手には]
梓「耕一と同じ大学に行きたい!」
耕一「なっ!?」
あゆ「ぼくも!!」
[飛び立つ希望を]
――黄昏の街――
晴香「これから…。どうしようかな」
赤い街の中を晴香は歩く。
行き先は決めていない。
ただ、飛行機雲の向かう方へと歩いてみたかった。
[消える飛行機雲 追いかけて追いかけて]
晴香「なんか楽しいこと見つけなきゃね」
飛行機雲は遥か彼方まで続く。
晴香「ま、なんとかなるでしょ。生きているんだから」
ふと誰かに呼ばれた気がして振り返る。
気のせい?
晴香「七瀬…?」
[この丘を越えたあの日から変わらずいつまでも]
――マナ自室――
マナ「あ〜〜! 医学って難しすぎる……」
机の参考書を放り投げるマナ。
ぴろ(まぁ、がんばりな)
マナ「うう…。せんせー…」
[真っ直ぐに僕たちはあるように]
――再び潜水艦――
晴香「それじゃあ、鳥達の向かう陸地へ向けて…」
[海神のような]
晴香「全・速・前・進!!」
一同『おう!!』
[強さを守れるよ きっと]
【HAKAGI ROYALE ――――――――――――――END】